高山正之『アメリカと中国は偉そうに嘘をつく』
いつもながら刺激的なタイトルですが、驚くべき事柄が実際に綿密な取材と実証資料に裏付けられているので、その点にもあらためて驚かされます。
本書では、沖縄が実は施政権だけの返還でアメリカと手を打った状態にあることが指摘されていて、言われてみると思い当たるフシがあります。日本政府の姿勢を見ていると確かにそうなのかも。(しかし、これからどうするのでしょうね。)
また、日本国憲法についてのAPやニューヨーク・タイムズの表現が「アメリカ製憲法」「米国政府の指図に従って書かれた」とか、「アメリカ陸軍が書いた日本国憲法」となっていることの指摘が、確かにその通りでした。
どちらも集団的自衛権をめぐる安倍政権の批判記事ですが、ついついもらしてしまったアメリカのジャーナリズムの本音もわかって、何だかいろいろと感心させられます。
NYTなどは朝日新聞の社屋に支局があるというわかりやすい事情もあるのかもしれません。あそこにはニコラス・クリストフという今や珍獣扱いのトンデモ記者もいましたし。
他に、アーリントン墓地というのが南北戦争の南軍のリー将軍の名を辱めるためにその邸宅を潰して作られたところだというのも初めて知りました。敗軍の将を称えたりしないところが実はアメリカ的なのかもしれません。
かの国を敵に回すとえらい目にあうし、事実あってきたわけですが(今も大変な仕打ちにあっている国がありますし)、そのあたりはわが国の戦後史の中でよく検証する必要がありそうです。
(徳間書店2015年1300円+税)

