ジェフリー・フェファー『「権力」を握る人の法則』村井章子訳
これは怖い本でした。
でも、読んでおくべき本です。
自分は権力に無縁だし、今後も無縁でいたいという人も、
組織の中で権力志向の人に一方的にやられてしまうことがありますから、
自己防衛の指南書として、相手の出方を予測することができます。
本書でもあるように、世の中は公正にできている(「公正世界仮説」just-world hypothethis)と考えたがる人が多いのですが、実際にはまったくそうではないわけで、権力志向の人はその隙を突いてくるのです。
様々な汚いやり口の汚さをなじっていても、問題は解決しません。防御のための知恵を絞って対抗あるいは無視するためにこそ、本書は有益です。
組織の中で何としてでも出世して権力を手中に収めたいと思う人は現実にうじゃうじゃいます。また、出世に関係なくサイコパス同然の嫌がらせをしてくる同僚も少なからずあります。何なんだあいつらはとは思いますが、あれが通常なんですね。
本書は現実の社会では善なる神が勝つことはないだろうという著者のリアルな見通しに貫かれています。長らく権力の有り様を社会心理学的視点から観察し続けてきた著者だけのことはあります。
翻訳は読みやすいです。村井章子さんのものはいつもそうです。
(日経ビジネス人文庫850円+税)
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