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2015年10月21日 (水)

木田元『哲学散歩』

久々の更新です。ご無沙汰しておりました。

この数ヶ月学会準備やら論文やら海外出張・講演と妙に忙しくて、読書はしていても更新する気持ちの余裕がありませんでした。

それでもここに来てようやく感想を書き留めておきたい気持ちになりました。

木田元さんの最後の本です。

古代ギリシアの話題から始まって、様々な哲学者たちのエピソードとご自身の思索の歩みとが絶妙にブレンドされたエッセーです。

お亡くなりになる年までこうして書き続けられたのは素晴らしいです。

本書で言及された本も古代から中世哲学はもとより、パピルスの歴史といった様々な歴史書もあって、これまた読書意欲をそそられます。

印象的だったの箇所は次のところです。

「ギリシア思想の本領は、やはり『ソクラテス以前の思想家たち』に見られるような、万物を生きて『生成するもの』と見る『自然的思考』にこそあると思う」(71頁)

ハイデガーなんかこれが言いたくて仕方なかったのですよね。
ただ、日本的自然観からすると結構当たり前に見えてしまうというところがあって、あんまりありがたい感じはしませんが、どうでしょう。

しかし、これをありがたいと思う人ならかつてのポストモダンの踊りがきっと今でも見事に踊れます。

それにしても木田さんは最後の最後までハイデガーの哲学が大好きだったんですね。本人が不思議と言っているくらいですから、外野からはとやかく言えませんが、私はハイデガーは嫌いでも、木田さんは大好きです。

(文藝春秋2014年1500円+税)

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