中村桂子『知の発見 「なぜ」を感じる力』
中高生にぜひとも読んでほしい本です。
生命誌というのは著者が言い出したことだと思うのですが、本書でようやくどんなものかがわかりました。
「生命誌は、他の生きものたちをていねいにしらべ、そこから自分の生き方を考えていこうとしています」(91頁)
「自然や生命をよく考えることによって、内なる自然、つまり人間の心と体を壊さないような社会をつくっていきませんかというのが生命誌の提案です」(138頁)
高校生向けの講演を元に書かれた文章ですので、読みやすく、わかりやすいです。しかし、内容は高度で手加減していません。
こんなふうに話ができるといいですね。
お手本にさせてもらいます。
生命誌が大森荘蔵の「重ね描き」との親和性があることも納得がいきましたが、さらに著者の他の本も読んでみます。
(朝日出版社2015年1280円+税)
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