上田紀行『生きる意味』
生きる意味を見失いがちな今日のわれわれへの応援歌です。
生きる意味は固定化されたものではなく、われわれの内的成長とともに変化ないし進化していくものなので、われわれ自身そうした意味を日々発見し、創造していかなければなりません。
著者がその内的成長のきっかけになるとしているのが「ワクワクすること」と「苦悩」という二つです。
前者はわかりますが、後者の「苦悩」は一瞬何のことかと思いますが、苦悩の果てに見いだすものが生きる意味だったりするわけですから、それでいいんだと納得させられます。
話はそうした内的成長を可能とする社会=コミュニティーの再創造へと及んでいきます。
著者の社会のイメージは次のような記述からもうかがい知れると思います。
「かけがえのない存在がここにいて、あそこにもいる。世界の中心がここにもあり、あそこにもある。私たち一人一人をオリジナリティーの源泉として見るとき、世界のいたるところに『かけがえのない』オリジナリティーの中心が見えてくる。私のかけがえのなさを見出すことは、あなたのかけがえのなさを見出すことでもある。そしてあなたのかけがえのなさに気づくことは、私のかけがえのなさに気づくことにもなるのである」(219−220頁)
とりわけ悩める高校生や大学生に読んでもらいたい本です。
(岩波新書2005年740円+税)
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