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2016年2月17日 (水)

Michael Lee Congdon: Polanyi and the Treason of the Intellectuals Kindle Edition

Kindle本で0.99$だったのでポチッとしてしまいました。

電子書籍として出たのは2014年ですが、もともとは1987年に出版されていたようです。

読み始めてみてずいぶん早く進むと思ったら、12ページくらいの分量の論考でしたので、すぐに読み終えてしまいました。

マイケル・ポランニーの倫理=宗教思想に光が当てられていて、興味深かったです。

最後はアウグスティヌスについてのポランニーの言及で締めくくられています。

「アウグスティヌスが教えているのは、あらゆる知識が恩寵の賜物であり、そのためにこそ、私たちは先人の信仰の導きのもとに懸命な努力を続けている、ということなのである」

しかし、これはポランニーが批判する批判哲学以降の現代哲学の潮流すべてを哲学の本道と取り違えているようなわが国の思想界においては、あまり紹介されないはずだということもわかりました。

実際、ポランニーは自身のキリスト教的立場をまったく隠そうとしない思想家なのですが、わが国ではその点を多くの人がスルーして紹介している気がします。

ただし、佐藤光さんだけはその辺りを少なからず意識されているようですが、日本教的宗教空間の中で安住しているインテリは、見ても見なかったことにするようです。迂闊に触れるべきではないなんていう人もいて、ほかならぬ佐藤光さんはそのことを著書の中で批判していましたが、これには私も同感です。

そもそも西洋の思想家の宗教性を無理して避けて通らなくても、聖書と代表的な宗教思想家の著作を丹念に読んでいけば、「無宗教」と言われる典型的日本人でもキリスト教の「理解」はできます。

ま、個人的にはおのれの不勉強を告白しているような恥ずかしい真似だけはしないようにしたいと思います(これ、日本的感性ですね)。

[The World and I Online (2014/1/28)]

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