養老孟司『「自分」の壁』
「“自分探し”なんてやめなさい」と表紙に書いてあります。
最近は言葉としてはあまりはやらなくなったかもしれませんが、
昔から悩む若者は多かったし、今もいると思います。
とりあえず大学に行ってみるかと思って入学してみても
見つかるものじゃないので、4年ないし8年悩むことになります。
でも、そういう人は悩むだけ意識も知能も高いんですよね。
で本書はそういう人に送る本かと思ったら、
で本書はそういう人に送る本かと思ったら、
もっと広く人生について、世界観について、
著者が考えてきたことがさらりと書いてあります。
というか、編集者が『バカの壁』と同じ人らしく、
読みやすくまとめられています。
著者の文章は結構読みにくいのですが、
著者の文章は結構読みにくいのですが、
読みやすい本には編集者の敏腕があったわけです。
ただ本書は『バカの壁』よりもかなり
著者自身のインタビューに基づいて作られていて
著者が言いたいことを思いっきり言った感じの
本になっています。
日本人の宗教的自由や思想的自由について指摘されていたり、
外部からのウイルスだらけの体内の話とか、
日本の合議制システムや能力による人材登用の話とか、
意識の外に注意する必要性とか、
ほかの著書でも言っている現代の参勤交代制の提言とか、
いろいろと慧眼が光っています。
『バカの壁』を読んで、今ひとつかなと思っていた人は
本書を読んでいただくと、少し見方が変わるんじゃないかと思います。
(2014年新潮新書740円税別)
ただ本書は『バカの壁』よりもかなり
著者自身のインタビューに基づいて作られていて
著者が言いたいことを思いっきり言った感じの
本になっています。
日本人の宗教的自由や思想的自由について指摘されていたり、
外部からのウイルスだらけの体内の話とか、
日本の合議制システムや能力による人材登用の話とか、
意識の外に注意する必要性とか、
ほかの著書でも言っている現代の参勤交代制の提言とか、
いろいろと慧眼が光っています。
『バカの壁』を読んで、今ひとつかなと思っていた人は
本書を読んでいただくと、少し見方が変わるんじゃないかと思います。
(2014年新潮新書740円税別)