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2016年9月18日 (日)

養老孟司『「自分」の壁』

「“自分探し”なんてやめなさい」と表紙に書いてあります。
最近は言葉としてはあまりはやらなくなったかもしれませんが、

昔から悩む若者は多かったし、今もいると思います。
とりあえず大学に行ってみるかと思って入学してみても
見つかるものじゃないので、4年ないし8年悩むことになります。
でも、そういう人は悩むだけ意識も知能も高いんですよね。

で本書はそういう人に送る本かと思ったら、
もっと広く人生について、世界観について、
著者が考えてきたことがさらりと書いてあります。
というか、編集者が『バカの壁』と同じ人らしく、
読みやすくまとめられています。

著者の文章は結構読みにくいのですが、
読みやすい本には編集者の敏腕があったわけです。
ただ本書は『バカの壁』よりもかなり
著者自身のインタビューに基づいて作られていて
著者が言いたいことを思いっきり言った感じの
本になっています。

日本人の宗教的自由や思想的自由について指摘されていたり、
外部からのウイルスだらけの体内の話とか、
日本の合議制システムや能力による人材登用の話とか、
意識の外に注意する必要性とか、
ほかの著書でも言っている現代の参勤交代制の提言とか、
いろいろと慧眼が光っています。

『バカの壁』を読んで、今ひとつかなと思っていた人は
本書を読んでいただくと、少し見方が変わるんじゃないかと思います。

(2014年新潮新書740円税別)

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