柴田昌治『「できる人」が会社を滅ぼす』
「仕事が速い」「調整力がある」・・・こんな人が危ない!
と帯にあります。
「真のできる人」になって自分の会社を元気にする方法が説かれています。
仕事を要領よくさばいているだけの能吏型の人は、本当は組織全体のことを考えず、目の前のことに追われているだけで、会社にとってマイナス要因にしかならないというわけです。
これは本当にその通りで、その「さばく」ことすら実際はよくできなくて、できる人のふりをしているだけの演技派も少なくないですが、いずれにしても、そういう人びとが全くといっていいほど物事を考えていないのは確かで、組織改革の最大の阻害要因になっています。
本書では会社の中にざっくばらんに話のできる場所を作り、自由闊達な組織風土を作るための具体的なアイデアがいろいろ展開されていますが、特に課長クラスで「コアネットワーク」を作ることができたらいいでしょうね。そんな人が10人集まれば組織は動かせるというのも、わかる気がします。もっとも、硬直した組織では実際に10人集めるのも大変ですが。
と、読みながら、自分の職場のことを考えると、日暮れて道遠しの感がありますが、大学なんてところは一番ダメな組織ですからね〜。せめて学生に迷惑がかからないように知恵を出していきたいと思っています。
(2016年PHP研究所1400円税別)