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2017年2月20日 (月)

田中圭一『うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち』

本書は書店で平積みになっていますが、高3の娘がこの一年ほどうつで苦しんでいなかったら手に取らなかったかもしれません。

本書はうつから抜け出た著者本人の経験からさらにうつを抜け出た人びとに直接取材して書かれたコミックエッセイです。

絵は手塚治虫風でキャラクターも魅力的に描かれています。特に女性が可愛らしいのも手塚風。懐かしくて親しみやすいです。

うつ経験者の有名人がたくさん出てきますが、大槻ケンヂや内田樹、まついなつきなんかもそうだったんですね。

それにしても、本書が5万部のベストセラーになるくらいですから、うつに苦しむ人は相当多いんだなとわかります。

印象的なのは「うつは心の風邪ではなく、心のガンだ」という表現で、確かに風邪どころではない深刻な病気で自殺することもあるくらいですから、ガンの比喩は当たっています。こじらせると大変なことになります。

読んだ娘の感想によると、自分は「半分くらい抜けた」状態だとのことです。そうやって半分って言えるようになったのは進歩です。本書がどれくらい効くかはわかりませんが、本人だけでなく周りの人にもうつを理解するために読んでほしい本です。

(KADOKAWA 2016年 1000円+税)

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