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2014年12月29日 (月)

愚かな人びと2(実例)

資料を集めていく中で印象に残ったケースを紹介しておきます。

【グルーエンフェルドの実験
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 3人の学生をひとつの部屋に入れ、世間で議論を呼んでいるさまざまな社会問題(中絶問題や環境汚染問題など)について語り合わせる。ただし、三人を部屋へ入れる前にそのうちの一人を無作為に選び、別の二人の意見のどちらが正しいかを判断する権限を与えておく。(その仕事で現金でボーナスが貰えるかもしれないと言い添えた。)
 そして30分後、部屋に5枚のクッキーが載った皿を差し入れる。すると、たいていの場合、”権限”を与えられた学生は当然のようにクッキーを2枚とる。しかも、クッキーを食べながらもしゃべり続け、食べかすが他の二人の顔やテーブルに飛んでも全く頓着しない。
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出典は、ロバート・I・サットン『あなたの職場のイヤな奴』(講談社2008年)ですが、元になっている実験は、
Dacher Keltner , Deborah H. Gruenfeld , Cameron Anderson, “POWER, APPROACH, AND INHIBITION,” Psychological Review, vol. 110. No. 2. 2003. Pp.265-84.
からのものです。

職場でも昇進した途端に態度が横柄になり、権限を振り回す輩は少なくないですが、この実験のように行儀が悪くなるというのは確かに指標の一つになります。

この他に、大学の教員などは特にドレスコードがおかしくなって、TPOが認識できなくなるのがいます。昔のようにネクタイを締めず、ジーンズでいることが反権力的で格好いいと勘違いしているような古典的な人は、さすがに今では少なくなりましたが、基本的にコードが壊れていると感じさせられる人がいます。

それから、自分のほうが地位が上だと思っている人は、周囲に挨拶をしなくなります。意図的に無視しますね。上長に対してはにこやかに擦り寄っていきますが。

こういう人たちは、群れの階層の中で生きている動物みたいな本能的な感覚に支配されているので、自らの行動を理性では制御できないようです。

危険ですのでこういう連中には自分からは近づかないに越したことはありません。

とはいうもののすれ違ったりするときには、にこやかに挨拶だけはしておくべきでしょう。先方が挨拶を返してこなくても気にしてはいけません。向こうは下々のものどもが目に入らないという精一杯の演技をしているだけで、実はハリネズミのようにこちらの出方を窺っていますので、用心が必要です。

くわばらくわばら。

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